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DAが楽しみすぎて、コピー本もってって知り合いの方に渡そうと思っている・・・
しかし長くなりそうでこれは間に合わないな・・・
そんな・・・小説の、頭




先日雨が降った名残か、空気が湿っぽい。
その湿っぽさにうんざりしながら私はある男の写真を見る。
全部で三枚あるその男の写真は何かの資料と一緒にソコにあった。
あった、というのは文字通りである日突然あったのだ。私の引き出しの中に。
私の机は小学生に上がるときに購入した子供っぽい机で、机の角も丸くそろそろ買い替え時だ。
親戚中でも末っ子の私はここでねだっておかなければ誰かのお下がりが回ってくるだろうことは分かっている。
そのため、少しずつ引き出しの中身を整理し始めた矢先の出来事だったのだ。
アニメキャラクターがプリントアウトされた便箋や、フルーツの形をした消しゴム。
大切にしていた鉛筆に、石ころ・・・今から見ればガラクタに思えるものばかりの中にソレはあった。
一枚目の写真はその男が少年の頃のもの。
家族写真らしく、優しそうな両親と双子のことも(このどちらかなのだろうが、わからない)母親は赤ん坊を抱いている。
二枚目の写真には双子はそろっていなかった。
そのかわり赤ん坊だった子は母親のスカートを握って立っている。可愛らしい女の子だった。
この写真のメモにエイミー2歳の誕生日と記されていて、女の子がエイミーという名前なのだとわかった。
三枚目の写真は、まさにその男の写真だ。身分証名称だろう。
裏にはロックオンとだけ書かれていて、ロックオンというのがこの男の名前なのかと何度もその写真を見た。
名前にしては違和感があるし、子供につけるだろうか。
写真と一緒にあった書類はマイスター候補による書類とだけ書かれていて、内容はガンダムというMSに乗るパイロットを探しているといったところだろう。
ただ、MSやガンダムがどういったものなのか私は知らない。
結局写真と書類は元の引き出しの中にしまうことなく、机の上に置きっぱなしにした。
夏休みがあけ、教育実習生がくる。この期間が私にとってどれだけ大切な物になるのか、全く予想もできなかった。

「今日来るらしいね」
「らしいな。私には関係のないことだが」
「ティエリアらしいなあ・・・刹那はどう思う?」
教育実習生が来る当日、クラスは期待で見に溢れているようすだ。
どうせいじめるくせに、どうしてこうも楽しそうにするのか私には理解できない。
アレルヤは楽しみにしていた組らしく、朝からテンションが高い。
「・・・知り合いがくる」
「え!そうなの?どんな人?」
「ニール・ディランディという。近所に住んでいる大学生だ」
刹那はたんたんとニール・ディランディという男について話した。
双子の兄で、面倒見のいい男だということ。両親が居ないため、学費と食費を稼ぐために二年休学をしていた。
車がとにかく好きらしく、いずれは自分の車を持ちたいらしい。
「・・・あと、エイミーという妹がいる」
刹那のその言葉に驚き、口を開いたと同時にその男は教室に入ってきた。
ロックオンだ。
「ロックオン・ストラトス!」
私はひかえめに、しかししっかりと彼の名前を呼んだ。
目の前に現れた彼は、まさしく写真のあの男だ。ロックオン。
だが、ロックオン・ストラトスであるはずの男は首をかしげ、俺?と尋ね返してきた。
「俺、ニール・ディランディっていうんだけどさ・・・誰かに似てた?」
「あ、貴方が刹那の言っていた・・・失礼しました。知人に似ていたもので」
似ているも何も、本人かと思うほど似ている。
「お、刹那の友達って刹那!いるなら声かけろよー!」
「頭は下げた」
「会釈だけってオマエなあ・・・」
あ、似ている顔には毎日会ってるから慣れてるんだ。気にするな。ニール・ディランディはそういって教壇に立ち、教育実習生の・・・とオキマリの挨拶をする。
自己紹介はとてもいいものだった。
担当は物理らしく、物理への情熱も交えて自己紹介をする。
けれど私にはどうにも彼がニール・ディランディであるということが納得いかず、その自己紹介を聞き流すことで自分を押さえることにしたのだ。
(そうムキになりなさんな)
そういわれる気もしたが、そうはいかない。
私・・・いや、僕にとって彼はロックオンと呼ぶ相手なのだとそう思わずに入られなかった。
 刹那と行動することが多いということは、必然的に彼が近くにいることが多いということだったらしい。
初日だというのに対して緊張した様子も見せず、彼は昼食の時にまで私たちの和に入ってきた。
「改めてだけど、ニール・ディランディ。ニールでいいよ。このメンバーの時にだけな」
「アレルヤです。刹那から話はすこし聞いたんですけど」
「お!俺も有名人か?そっちの美人さんはなんていうんだ?」
美人さんというところに何か引っかかる。
「・・・ティエリア・アーデといいます。あと、セクハラではないでしょうか」
「ティエリアね。そう冷たいこというなよ。確かに歳は離れてるけど、俺まだ24だぜ?」
「歳の問題ではありません」
「ちぇ・・・。お前さんもっと笑った方がいいぞ」
余計なお世話です!そういってはっきりとニールの顔を見た。
笑って話しかけてくる彼の向こうに、誰かが見る。そんな気がしてニールの瞳を見つめずにはいられない。
あれはなんだっただろうか。
僕のせいで・・・ロックオンはどうなったんだっけ?
そう、僕はヴェーダに見放されたショックで、どうにもできなくて。
「ヴェーダ・・・・」
「・・・!ティエリア、どうした」
刹那が私の肩に手を添えて大丈夫かと覗き込んでくる。
刹那・・・ああ、そうだ。刹那・F・セイエイさえ地球に行かなければ、彼は・・・。
「いや、なんでもない」
私は頭を振ってもう一度ニールを見る。
大丈夫だ、彼は無事じゃないか。
「そろそろ失礼します。次は体育なので」
(そういうなよ。バーベキューって楽しいんだぜ)
頭のどこかでそんな声がして、私は頭を抑えながら教室を出た。

私は、誰





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