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ニールが生存していたらとかを妄想してしまいました。
・・・・映画はなかったことで・・・・(え
あと私最終回をちゃんとみてないです
・・・・映画はなかったことで・・・・(え
あと私最終回をちゃんとみてないです
ヴェーダの中でゆっくりと目を閉じてみる。
体はないが、目を閉じるとは気持ちの問題だな、とティエリアは思った。
そしてくすりと笑う。
ヴェーダの一部となって独り言が多くなった。
さびしいなどといったことではない。
原因はおそらく、読書をするようになったからだろう。
すでに何年も前に電子文庫化されたままセキュリティもそのままに忘れ去られた文章達。
ティエリアは多くの情報を処理していく中でこっそりとそういったデータを集めていた。
”彼”は暇を見つけると本を読んでいた。
それは車の雑誌だったり、小説だったりとその時々で違っていたが文字を見ることが好きだったように思える。
だからこそ、彼の好みや何を思っていたのかを知りたくて時間を見つけては読書をしていた。
時間なら、膨大にある。
そんな気ままな生活の中で、刹那とのやり取りは良く続いた。
最近の刹那からのメッセージでは「もう一度体をつくって地球に来い」といった内容が多く、ティエリアは困り果てていた。
「なにかあるのか」
そうきいても、来て見ればわかるとしかかえってこない。
時間なら膨大に有るのだろう?
そんな刹那の言葉が決め手となってティエリアはもう一度体を持ってみることにしたのだ。
「久しぶりだな」
初めてあった頃よりもずいぶんと低くなった声と伸びた身長。
刹那は人込みの中でもすぐに見つけることができた。
「・・・あの頃は嫌で仕方が無かったが、こうして落ち着いて来て見るといいところかもしれない」
ティエリアは両足でしっかりと地を感じる。
人工的な空気と違い、地球の空気には匂いがある。
ティエリアはその匂いが苦手だったが、ターミナルの空気はコーヒーの香りがして、これは好きだなとティエリアは笑った。
「・・・またずいぶんと変わったな」
「以前はかわらないといわれたと思うが」
「そうだったか・・・?」
刹那の首をかしげた仕草を見て、ティエリアはまたくすくすと笑った。
そんなティエリアの様子を見て、刹那は大きく息を吸う。
その仕草を見て、どうしたのかと笑うのをやめると刹那はすこしいいにくそうに口を開いた。
「会わせたい人がいる」
連れて行きたいところがあるならつれていけとティエリアが答えると、刹那はティエリアの手をとって歩き出した。
それなりの歳の男が手をつないで歩くというのは目立つものだが、それでも刹那は離さずにティエリアを導いていく。
ついた先は経済特区東京。
ここになにがあるのか、とティエリアはあたりを見渡す。
「そういえば」
「ん?」
「眼鏡はかけていないのだな」
ああ、とティエリアは眼鏡があっただろういちを触れた。
以前は眼鏡をしていた。
「・・・あまりにも外見が変わっていないのはどうかと思って、すこし成長させてみた」
「たしかに大人びたようには思うが、眼鏡を外すのは成長になるのか?」
眼鏡も無く。落ち着いた雰囲気に変わったティエリアの髪は以前と変わらない。
「変えなかったほうがよかったか?」
「そういうわけじゃない」
ついたぞ、そういって刹那が見上げた先はデパートだった。
「服でも買うのか?」
「・・・ここで働いている人に会わせたい・・・正確には見せたい、か」
刹那はゆっくり遠くを指さした。
吹き抜けが特徴であるこのデパートは各階が見渡せる。
刹那が指差したのは一つ下の階だった。
その指先をみて、ティエリアは息を呑んだ。
「そんな・・・」
まともに歩くこともできずにティエリアはその場に座り込む。
そこにいたのは、ニール・ディランディだった。
ティエリアが間違えるはずが無い。
「どうして」
ティエリアの目じりに涙がたまったのをみた刹那は大丈夫かと声をかける。
「どうして、僕にこのことを知らせようとした」
たくさんのことを受け入れたというのに。
「あいつが、お前に会いにいこうとしないからだ。一緒にいるべきなのに。だから、会いに行け」
刹那はティエリアをたたせると、エレベーターのほうへ押す。
「刹那!僕は、あの人があわないと決めたならばあうわけにはいかない!」
「うるさい!会いに行け!」
滅多に見ない、感情的な刹那にティエリアはなにも言えなくなった。
ガンダムに乗っているときならば感情的になった音声を良く聞いた。
しかし、こうして目の前にしてみることはあまり無かったように思う。
「会えるならば会うべきだ。会えるときに、一緒にいるべきだ。俺達は、それも学んだはずだろう」
「・・・・君はいつも僕を動かすな」
いってくるよ
ティエリアはそういってエレベーターを降りた。
****
東京でばったり刹那と会ってしまったときは、もう逃げられないと思った。
生きていた。
自分でも驚いている。
ニール・ディランディの戸籍がどうなっているのかはわからなかったので満足に働くこともできず。
しかし、CBがやってきたこと、自分の代わりにだれが補充されたのか。
なにもわからなかったが、俺にはそこに戻る資格は何も無かった。
仲間も、使命も、大切な人もソコにいたのに、復讐を優先させたのだから。
ニールは笑顔で子供にポップコーンを渡した。
デパートの中にある、出店で働いている。
ニールの営業は大人にも子供にも評判良く、なんとか暮らしていけるだけの稼ぎはしていた。
すこし前までたくさんの命を奪ってきたというのに、これでいいのだろうか考えながら。
ティエリアがどうなったのか、うすうすわかっていた。
それでも、震える足で平和の上に立ちニールは暮らしている。
そんな姿を刹那に見られてしまった。
逃げられない現実がいつか目の前にやってくることをニールは覚悟していた。
「ひとつ、いただけますか」
ああ、現実がやってきた。
ニールは思った。
ゆっくりと声の主をみる。
「ティエリア」
とても好きな名前だ。ニールは思った。
「ああ、やっぱり・・・生きて・・・」
そういって静かに泣き出すティエリアをみて、ニールはその涙をぬぐった。
「ティエリア、ごめん」
「何についての謝罪ですか」
「いろんなこと」
「なら、謝ることなどなにもないです」
世界は変わった。
決して許されない罪を背負ってはいるが、生きていてもいいと世界が言う。
「あなたに会えるのならば、女性の体にすればよかった」
「どうして。そのままのお前がいいよ」
「私はあなたに会ってもよかったですか?」
「ああ。弱い俺を殴ってくれても良い。俺から会いに行けば早かったのに」
「私はとてもかわったそうです」
「そうだな、すごく素直に・・・あと、感情をちゃんと言葉にできるようになってる」
「貴方が好きだった本をたくさん読みました。貴方のことが知りたかった!」
「ティエリア、ティエリアは俺と生きていくことができるのか?一緒に生きていけるのか?できるのならば、俺はもう一度大切な人と一緒に暮らしたい」
ティエリアはニールを見て何度も頷いた。
ティエリアには膨大な時間がある。
ならばその時間の一部を誰かと生きることを、だれが攻めるだろうか。
「おにいちゃん、ぽっぷこーんちょうだい?」
「あ、ああ、ごめんな、いまつめるからまってくれ」
涙を拭いて、ティエリアにごめんなと呟くとニールは笑顔でポップコーンを手渡した。
その様子をみて刹那は安心し、ミッションは成功したと報告する。
そこでふと、今日別れてから次に二人に会うのは結婚式だろうかと考える。
その時はふたりが今後どのように生きていくのかを、聞いてみたい。
体はないが、目を閉じるとは気持ちの問題だな、とティエリアは思った。
そしてくすりと笑う。
ヴェーダの一部となって独り言が多くなった。
さびしいなどといったことではない。
原因はおそらく、読書をするようになったからだろう。
すでに何年も前に電子文庫化されたままセキュリティもそのままに忘れ去られた文章達。
ティエリアは多くの情報を処理していく中でこっそりとそういったデータを集めていた。
”彼”は暇を見つけると本を読んでいた。
それは車の雑誌だったり、小説だったりとその時々で違っていたが文字を見ることが好きだったように思える。
だからこそ、彼の好みや何を思っていたのかを知りたくて時間を見つけては読書をしていた。
時間なら、膨大にある。
そんな気ままな生活の中で、刹那とのやり取りは良く続いた。
最近の刹那からのメッセージでは「もう一度体をつくって地球に来い」といった内容が多く、ティエリアは困り果てていた。
「なにかあるのか」
そうきいても、来て見ればわかるとしかかえってこない。
時間なら膨大に有るのだろう?
そんな刹那の言葉が決め手となってティエリアはもう一度体を持ってみることにしたのだ。
「久しぶりだな」
初めてあった頃よりもずいぶんと低くなった声と伸びた身長。
刹那は人込みの中でもすぐに見つけることができた。
「・・・あの頃は嫌で仕方が無かったが、こうして落ち着いて来て見るといいところかもしれない」
ティエリアは両足でしっかりと地を感じる。
人工的な空気と違い、地球の空気には匂いがある。
ティエリアはその匂いが苦手だったが、ターミナルの空気はコーヒーの香りがして、これは好きだなとティエリアは笑った。
「・・・またずいぶんと変わったな」
「以前はかわらないといわれたと思うが」
「そうだったか・・・?」
刹那の首をかしげた仕草を見て、ティエリアはまたくすくすと笑った。
そんなティエリアの様子を見て、刹那は大きく息を吸う。
その仕草を見て、どうしたのかと笑うのをやめると刹那はすこしいいにくそうに口を開いた。
「会わせたい人がいる」
連れて行きたいところがあるならつれていけとティエリアが答えると、刹那はティエリアの手をとって歩き出した。
それなりの歳の男が手をつないで歩くというのは目立つものだが、それでも刹那は離さずにティエリアを導いていく。
ついた先は経済特区東京。
ここになにがあるのか、とティエリアはあたりを見渡す。
「そういえば」
「ん?」
「眼鏡はかけていないのだな」
ああ、とティエリアは眼鏡があっただろういちを触れた。
以前は眼鏡をしていた。
「・・・あまりにも外見が変わっていないのはどうかと思って、すこし成長させてみた」
「たしかに大人びたようには思うが、眼鏡を外すのは成長になるのか?」
眼鏡も無く。落ち着いた雰囲気に変わったティエリアの髪は以前と変わらない。
「変えなかったほうがよかったか?」
「そういうわけじゃない」
ついたぞ、そういって刹那が見上げた先はデパートだった。
「服でも買うのか?」
「・・・ここで働いている人に会わせたい・・・正確には見せたい、か」
刹那はゆっくり遠くを指さした。
吹き抜けが特徴であるこのデパートは各階が見渡せる。
刹那が指差したのは一つ下の階だった。
その指先をみて、ティエリアは息を呑んだ。
「そんな・・・」
まともに歩くこともできずにティエリアはその場に座り込む。
そこにいたのは、ニール・ディランディだった。
ティエリアが間違えるはずが無い。
「どうして」
ティエリアの目じりに涙がたまったのをみた刹那は大丈夫かと声をかける。
「どうして、僕にこのことを知らせようとした」
たくさんのことを受け入れたというのに。
「あいつが、お前に会いにいこうとしないからだ。一緒にいるべきなのに。だから、会いに行け」
刹那はティエリアをたたせると、エレベーターのほうへ押す。
「刹那!僕は、あの人があわないと決めたならばあうわけにはいかない!」
「うるさい!会いに行け!」
滅多に見ない、感情的な刹那にティエリアはなにも言えなくなった。
ガンダムに乗っているときならば感情的になった音声を良く聞いた。
しかし、こうして目の前にしてみることはあまり無かったように思う。
「会えるならば会うべきだ。会えるときに、一緒にいるべきだ。俺達は、それも学んだはずだろう」
「・・・・君はいつも僕を動かすな」
いってくるよ
ティエリアはそういってエレベーターを降りた。
****
東京でばったり刹那と会ってしまったときは、もう逃げられないと思った。
生きていた。
自分でも驚いている。
ニール・ディランディの戸籍がどうなっているのかはわからなかったので満足に働くこともできず。
しかし、CBがやってきたこと、自分の代わりにだれが補充されたのか。
なにもわからなかったが、俺にはそこに戻る資格は何も無かった。
仲間も、使命も、大切な人もソコにいたのに、復讐を優先させたのだから。
ニールは笑顔で子供にポップコーンを渡した。
デパートの中にある、出店で働いている。
ニールの営業は大人にも子供にも評判良く、なんとか暮らしていけるだけの稼ぎはしていた。
すこし前までたくさんの命を奪ってきたというのに、これでいいのだろうか考えながら。
ティエリアがどうなったのか、うすうすわかっていた。
それでも、震える足で平和の上に立ちニールは暮らしている。
そんな姿を刹那に見られてしまった。
逃げられない現実がいつか目の前にやってくることをニールは覚悟していた。
「ひとつ、いただけますか」
ああ、現実がやってきた。
ニールは思った。
ゆっくりと声の主をみる。
「ティエリア」
とても好きな名前だ。ニールは思った。
「ああ、やっぱり・・・生きて・・・」
そういって静かに泣き出すティエリアをみて、ニールはその涙をぬぐった。
「ティエリア、ごめん」
「何についての謝罪ですか」
「いろんなこと」
「なら、謝ることなどなにもないです」
世界は変わった。
決して許されない罪を背負ってはいるが、生きていてもいいと世界が言う。
「あなたに会えるのならば、女性の体にすればよかった」
「どうして。そのままのお前がいいよ」
「私はあなたに会ってもよかったですか?」
「ああ。弱い俺を殴ってくれても良い。俺から会いに行けば早かったのに」
「私はとてもかわったそうです」
「そうだな、すごく素直に・・・あと、感情をちゃんと言葉にできるようになってる」
「貴方が好きだった本をたくさん読みました。貴方のことが知りたかった!」
「ティエリア、ティエリアは俺と生きていくことができるのか?一緒に生きていけるのか?できるのならば、俺はもう一度大切な人と一緒に暮らしたい」
ティエリアはニールを見て何度も頷いた。
ティエリアには膨大な時間がある。
ならばその時間の一部を誰かと生きることを、だれが攻めるだろうか。
「おにいちゃん、ぽっぷこーんちょうだい?」
「あ、ああ、ごめんな、いまつめるからまってくれ」
涙を拭いて、ティエリアにごめんなと呟くとニールは笑顔でポップコーンを手渡した。
その様子をみて刹那は安心し、ミッションは成功したと報告する。
そこでふと、今日別れてから次に二人に会うのは結婚式だろうかと考える。
その時はふたりが今後どのように生きていくのかを、聞いてみたい。
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